今年のゴールデンウィークは JR の九州満喫切符を使って別府に行ってきた。九州満喫切符は10,500円で普通列車1日乗り放題が3回(人)分の切符。遠くに行く場合は通常運賃よりとてもお得に移動できる。
1日目
1日目は全てローカル線で移動。乗り継ぎスケジュールは以下の通り。全てローカル線での移動だったので、第一の目的地「宇佐」までは約7時間。
長崎 > 鳥栖 > 西小倉 > 中津 > 宇佐(観光)> 別府(観光)>大分(宿泊)
宇佐〜豊後高田
宇佐駅で列車を降り、目的地は昭和の町、豊後高田の「昭和ロマン蔵」。宇佐駅からバスが出ているが、本数が少なく待ち時間が長かったため徒歩で向かうことにした。
道中、ちらほらと唐揚げ店が。ここ宇佐とお隣中津は唐揚げが名物の地。長い長い道のり、唐揚げを買い食いしながらボチボチと歩を進める。
宇佐駅から昭和ロマン蔵のある豊後高田まで約40分ほどで到着。豊後高田の中心商店街には昭和30年代の街並みが残っている。僕は昭和30年代をリアルに体験していないので写真や映像でしか知らないが、その空気感をとても感じることができる街並みである。
この商店街に給食形式で食事を提供するレストランがあるとのことで、お昼はそこでいただいた。
そして、商店街に隣接する昭和ロマン蔵へ。ここにはおもちゃ、雑誌、ポスター、車、そして茶の間など、さまざまな昭和のカルチャーが溢れている。
別府
昭和の街を満喫し、次は別府へ。別府と言えば温泉である。少し歩けば共同浴場がちらほらと目に入る。入浴料も100円からと大変入りやすく、共同浴場巡りだけでも1日満喫できそうだ。今回は自前に目をつけていた「竹瓦温泉」で入浴することにした。
竹瓦温泉は明治12年(1879)創設の共同浴場。とても歴史のある浴場だ。入り口でお金を払い脱衣所へ。脱衣所は表通りに面しているのだが、誰かが開けたのか窓が全開になっているというフリーダムな状態で驚いた。脱衣所のすぐ下に浴場がある。銭湯経験は3、4回程度だが、脱衣所と浴場が繋がっているのは初めて。浴場にはシャワーはなく、湯船があるのみ。これが別府のスタイルなのかここだけのスタイルなのかはわからないが、いろいろと驚きのある銭湯だった。
竹瓦温泉を出て、次は夕食。このあたりは歓楽街となっており、多くの飲食店や風俗店が軒を列ねている。ゴールデンウィークとあってお客さんも多く数軒断られてしまったが、昭和風居酒屋でトリハイ片手に唐揚げ、トリ皮、鶏天など美味しい料理を堪能した。
夕食のあと別府駅へ向かっていると、人だかりができているのを発見。中を覗いてみると美味しそうなジェラートが並んでいたので一つ購入。有名なお店らしく、ハイカラなおじいさん(失礼!)が切り盛りしているその場所はとても楽しげな雰囲気であった。
大分
別府駅から電車で15分、本日の宿泊地大分市へ。別府は大勢の人で賑わっていたが、一転、大分市は人も少なく大変静かだった。建物こそ長崎より大きく多いが、なぜこんなに静かなのだろうか…。
2日目
別府
9時14分、大分発の列車に乗り、また別府へ。昨日は時間が無く銭湯と夕食だけだったので、街巡りをするために戻ってきたのだ。別府はとても雰囲気が良く、昼間も、夜とはまた違う街並みを楽しむことができる。
まず向かったのは別府タワー。別府タワーは日本で3番目に出来た高層タワー。入場料を払い上まで登ると海が一望できる。展望階はそんなに広くは無かったが、テーブルがあり飲み物の販売も行われていた。もちろんアルコールも提供されており、ビールを飲みながらくつろぐのもまた一興かも。
別府タワーを降りる。次の時間まではまだ時間があったので商店街の路地裏を巡る。下町の雰囲気溢れる街並みで、おしゃれなセレクトショップや歴史を感じる金物店、そしてロマンポルノ映画館といろいろなお店が並んでいる。ふらふらと寄り道しながら歩いていると、ふと目にした小さな案内板。そこには「路地裏の情緒 紙屋温泉」の文字。案内板が指す矢印の方向へ進むと曲がり角でまた案内板。何度か繰り返すと情緒溢れる小さな共同浴場が。
残念ながら営業時間ではなかったが、外には無料の足湯があり、微かに温泉気分に浸ることができた。
鉄輪温泉
別府から次の目的地「鉄輪温泉」まではバスで移動した。旅行客が多いためか鉄輪行きは特別にわかりやすいバスが20分おきくらいに出ているので便利だ。鉄輪温泉といえば「別府 地獄めぐり」である。地獄とは含有物によって青、赤、白などの様々な泉色を呈する高温の温泉のことだそうだ。別府市内には多くの地獄があるようだが、その中でも「地獄組合」という組織に加入している海地獄、鬼石坊主地獄、山地獄、かまど地獄、鬼山地獄、白池地獄、血の池地獄、龍巻地獄の8つの地獄の地獄めぐりが「別府 地獄めぐり」としてパッケージ化されているようだ。
この8つの地獄のうち、血の池地獄と龍巻地獄は中心地からやや離れた位置にあるため、まずはその二つの地獄へ向かうことにした。「血の池地獄前」で下車。血の池地獄の横にはハンバーガー屋。ちょうど昼時だったのでハンバーガーを注文し、しばし昼食。
龍巻地獄
その後血の池地獄に向かうと、係の方から「ちょうど竜巻地獄の時間だから先にそっちのほうに行ったほうが良い」とのこと。良く意味がわからなかったが、言われたとおりまず竜巻地獄へ行くことにした。竜巻地獄と血の池地獄は隣接しているので徒歩で移動できる。竜巻地獄へ着くとかかりの方が言われていたことの意味がわかった。龍巻地獄の目玉は間欠泉。この間欠泉は30〜40分周期で吹き出すらしく、今がちょうどその時間だったのだ。本来なら50mほど吹き出す力があるらしいが、安全のため石垣で囲われている。
血の池地獄
人が多かったので、噴出を見た後そうそうに退散し血の池地獄へ。血の池地獄は別府最古の地獄で酸化鉄などにより朱色に染まった地獄である。昭和2年には大爆発を起こして一体の木々が枯れてしまったそうだ。一般公開して大丈夫なのだろうか…。
鬼山地獄
血の池地獄をでて、中心地へバスで移動。鉄輪温泉下車。まず向かったのは鬼山地獄。もうもうと湯気が湧く地獄の熱を利用しワニが飼育されている。
かまど地獄
次はかまど地獄。この地獄には1丁目~6丁目まで様々な湯の池がある。赤い地獄、青い地獄、熱泥坊主等、一通りの種類の地獄が見れるので、時間がない方はまずかまど地獄へ行かれることをお勧めする。かまど地獄は係の方が数人案内しながら回っていたので一緒に移動しながら説明を拝聴。煙に含まれる粒子と地獄に反応して煙を出すそうで、係の方の実演を見ることができた。
山地獄
次は山地獄。ここには他の地獄のような泉が無く、岩の間から沸き立つ湯気が特徴的。地獄の熱を利用して様々な種類の動物が飼育されている。
海地獄
次は海地獄。青い色の地獄が印象的。ここでは地獄の熱を利用して大鬼蓮という最大級の蓮が飼育されている。
鬼石坊主地獄
次は鬼石坊主地獄。灰色の熱泥が沸騰する様子が坊主頭に似ている事が名前の由来だそうだ。もともとは沸騰して農作に向かない田園で、まさに地獄といった状況だったものを観光地化したらしい。
白池地獄
最後は白池地獄。白い大きな泉のある地獄で、他の地獄に比べると大人しい印象。そのせいかどうかはわからないが、地獄の熱を利用してピラニアやチョウザメが飼育されている。各地獄にはスタンプが置いてあり、5つ集めて応募すると抽選でプレゼントが貰えるらしく、血の池地獄から始まり全てのスタンプを収集、ここで投函した。当たるかな〜
別府温泉保ランド
地獄めぐりを終え、旅行前から入ると決めていた明礬温泉は別府温泉保ランドへバスで移動。この温泉は白く濁った温泉が特徴で、露天風呂は混浴となっている(男女の区別はあるが女性が男性湯へ入ることが可能)。なぜか写真を撮り忘れていたのでここの写真はありません…。露天風呂に1時間ほど入り、お決まりのコーヒー牛乳を飲みながらしばし休憩。
鉄輪温泉
バスに乗り本日の宿泊ホテルへ移動。チェックインをすませ近くを散策。
3日目
翌日から仕事ということもあり、3日目はどこにも寄らず帰宅するだけの日程。宿泊ホテルから一番近いJR駅である「別府大学駅前」まで徒歩で移動した。途中、「鉄輪温泉の沸き立つ煙が一望できる展望所まで◯◯◯m」という看板を見かけたが列車まで時間が無く断念。手持ちの旅行本には載ってなかったもんな〜、残念…。
別府大学駅から別府駅まで移動し、初日同様にローカル線を乗り継いで帰る予定だったが、体力的にきつかったので別府駅からは特急「ソニック」と「白いかもめ」を乗り継いで帰ることにした。いやー特急、快適すぎる。椅子はふかふかだし、一旦座ればずっと座れるし。しかも意外に安い。行きも特急にすれば良かった。